
はじめに
エレガントな見た目で人気のある「エンゼルフィッシュ」。その優雅な姿に惹かれて、多くの熱帯魚ファンが水槽に迎えていますが、実は混泳が意外と難しい魚種であることはご存じでしょうか?
この記事では、エンゼルフィッシュの性格や行動パターンを理解しつつ、混泳に適した魚種や避けるべき組み合わせ、トラブル時の対処法などを専門的に解説していきます。

見た目はおしとやか”だけど、“意外と気が強い”のがエンゼルのギャップだよ〜!混泳にはちょっとコツがいるんだ〜!

エンゼルフィッシュの基本性格と混泳時のポイント
エンゼルフィッシュは中南米原産のシクリッドの仲間で、優雅な見た目とは裏腹に縄張り意識が強く、特に繁殖期には攻撃的になる傾向があります。そのため、混泳を成功させるには、彼らの本来の性質をよく理解しておくことが重要です。
- 成魚サイズ:約10〜15cm(ヒレを含めるとさらに大きく見える)
- 性格:やや神経質で、慣れるまでは臆病な一面も。環境に順応すれば落ち着いてくるが、ストレスには弱い。
- 繁殖期:ペアで特定の場所に縄張りを作り、他の魚を激しく追い払うことがある。
また、遊泳層についても理解しておくと混泳設計に役立ちます。
エンゼルフィッシュの遊泳層
エンゼルフィッシュは主に中層〜上層をゆったりと泳ぎます。縦に長い体型と長く伸びたヒレにより、すばやい泳ぎは苦手です。水槽内を優雅に漂うように泳ぐ姿が特徴で、急な動きや強い水流にはストレスを感じやすくなります。
このため、混泳相手としては底層〜中層を泳ぐ温和な魚種を組み合わせることで、水槽内の棲み分けがしやすく、トラブルが起こりにくくなります。
混泳のコツ:
- 同サイズ以上の魚を選ぶ(小さすぎると捕食対象になりやすい)
- すばしっこくない、温厚な魚が相性◎
- 泳ぐ層が異なる魚を選ぶとバランスが良い
- 水槽内に流木や水草などの隠れ家を複数配置して、縄張りを分散させる
- 強すぎる水流は避け、フィルターは静音で調整可能なタイプを選ぶとよい

エンゼルはね〜、中層を“ス〜ッ”と漂うのが大好きなお魚なんだ〜!下の方やすばしっこい魚とは、うまく住み分けできると仲良くなれるよ〜!

相性の良い混泳魚ベスト10
- コリドラス(底層を泳ぐ温和な魚)
- ラミーノーズテトラ(群泳性で性格が穏やか)
- ハーフオレンジレインボー(中層を泳ぎ、おとなしい)
- ドワーフグラミー(同じくらいのサイズで争いにくい)
- オトシンクルス(藻を食べる掃除役で干渉しない)
- ゴールデンバルブ(控えめな性格の改良種)
- ミクロラスボラ・ハナビ(小型で中層〜上層を泳ぐ)
- パールグラミー(大人しめで体型も似ていて相性良し)
- ブラックファントムテトラ(おとなしめな性格で衝突が少ない)
- エビ系(ヤマトヌマエビなど) ※ただし稚エビは食べられる可能性あり

同じくらいの泳ぎのスピードで、しかも“ちょっかい出してこない”魚が理想の相棒だよ〜!
混泳に向かない魚種とその理由
- ネオンテトラ・カージナルテトラ(小さすぎて捕食対象になる)
- グッピー・プラティ(ヒレがヒラヒラしていて追われやすい)
- スマトラ(好奇心旺盛でヒレをかじる傾向)
- シクリッド系(アピスト・ラミレジィを除く)(縄張り争いになりやすい)
- ベタ(オス同士はもちろん、ヒレ同士のトラブルも多い)
ポイント: 「温和であればOK」ではなく、“サイズ差・泳ぎ方・性格”のバランスが大切です。
混泳の成功に必要な水槽環境の工夫
- 水槽サイズ:60cm以上が理想。エンゼルは縦に泳ぐので高さのある水槽が◎
- 隠れ家の設置:流木・水草・岩などで視界を遮る構造をつくる
- フィルターの工夫:やさしい水流に調整できる外部フィルターがおすすめ
- ヒーター設定温度:26〜28℃を一定に保つことでストレス軽減
混泳トラブルの具体例と対処法
例1:新しく入れた魚が追われる → エンゼルフィッシュは環境の変化に敏感で、新入りに対して攻撃的になることがあります。新しい魚を導入する前に、水槽内に流木・岩・水草などを追加して視界を分断し、縄張り意識を分散させましょう。導入のタイミングも重要で、照明を落とした夜間に投入すると、既存魚の警戒心が和らぎ、スムーズに馴染みやすくなります。特に複数匹をまとめて入れると“狙い撃ち”されにくくなります。
例2:ヒレがかじられる、破れる → エンゼルの長くて繊細なヒレは、スマトラやゼブラダニオのようなヒレかじり癖のある魚にとって絶好のターゲットです。こうした魚種との混泳は根本的に避けるべきです。万が一ヒレが傷ついてしまった場合は、速やかに別水槽で塩浴(0.3〜0.5%)と静かな環境で療養させましょう。重症化すると二次感染(尾ぐされ病など)につながるため、早期対応がカギです。
例3:急に気が荒くなった(繁殖期など) → 通常は穏やかなエンゼルでも、繁殖期になると気性が激変し、ペアが縄張りを主張して他魚を激しく追い回すことがあります。こうした場合には、一時的にアクリル板などで仕切りを作るか、ペアだけを別水槽に隔離するといった対処が有効です。また、水温や照明時間のコントロールで発情行動を穏やかに調整する方法もあります。

“混泳”はタイミングと環境次第で成功率が変わるんだよ〜!水草や流木で隠れ場所を作ってあげると、ケンカも減るかも〜!
水槽サイズに応じた飼育数の目安
エンゼルフィッシュはその美しさから複数飼育を希望する方も多いですが、過密飼育はストレスや病気、縄張り争いの原因になります。特にエンゼルは中〜大型のシクリッドに分類され、一定の空間と視界の確保が必要です。以下は目安となる水槽サイズと飼育可能な匹数です。
水槽サイズ | 飼育可能なエンゼルフィッシュ数(単独) | 混泳を考慮した場合の数 |
---|---|---|
45cm水槽 | 1〜2匹 | 混泳は基本的に非推奨 |
60cm水槽 | 2〜3匹 | 1〜2匹+温和な小型魚 |
90cm水槽 | 3〜5匹 | 2〜3匹+相性の良い中型魚 |
120cm以上 | 6匹以上(繁殖ペア含む) | 多頭飼育+群泳魚も可能 |
ポイントは、体長だけでなく“ヒレの大きさ”や“縄張り範囲”も加味して空間を確保すること。また、複数飼育する際は奇数より偶数(ペア単位)での導入がおすすめです。

見た目はスリムでも、エンゼルってけっこう広いスペースが必要なんだよ〜!詰め込みすぎるとケンカになっちゃうから要注意〜!
まとめ|エンゼルフィッシュ混泳のコツは“観察力”と“準備”
エンゼルフィッシュとの混泳は、決して不可能ではありませんが、性格・サイズ・環境のバランスをしっかり取ることが成功のカギです。
最初の数日はよく観察しながら、「相性の良い魚」「環境の工夫」「トラブルへの対応策」を総合的に考えて進めていきましょう。

エンゼルフィッシュは、うまく付き合えばとっても優雅で魅力的なお魚だよ〜!混泳は“準備と観察”が勝負だね〜!
